終戦のローレライ

 私のよくおじゃまするブログの方から、おすすめのあった福井晴敏「終戦のローレライ」を読みました。文庫で4冊あって、久しぶりに読み応えがありました。

 戦地で人肉すら食べてしまった軍人達が、日本を腹切り再生させるべく、米軍に第三の原爆投下を皇居のある東京に画策します。そのみかえりに、第二次世界大戦後の重要な戦力となるナチスドイツの開発した兵器、ローレライシステムを引き渡すと約束します。

 潜水艇に小型潜水艇ナーバルを搭載したローレライとは何か、
 米軍にローレライを引き渡すべく向かう潜水艇で、東京に原爆投下を画策するためであることを知った、艦長以下乗員が、それを阻止するために、船内での戦いに勝ち、米艦隊の攻撃を打ち破り、テニアン島から飛び立つ原爆を搭載したB29を撃墜すると、まあ、こんなストーリーなんです。

 死地、テニアン島に向かう途中、艦長は小型潜水艇ナーバルを切り離すと宣告します。そこには、征人とパウラという若者が搭乗していて、生きて新しい日本を作って欲しいと伝えられます。

 この小説、登場人物がそれぞれとてもよく描かれていて、魅力的です。映画もみてみましたが、このあたりがあまりうまく描かれていなかったのと潜水艇や戦闘のシーンが低予算のためでしょうか、残念な映像でした。

 戦争ものとなると、シリアスであったり、潜水艇というマニアックなものであったりという先入観もあるのですが、この小説、エンターテインメントとしても読めるという不思議なものでした。

 ほんと、読み応えのある小説でした。
 ご紹介ありがとうございました。

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テーマ : 感想
ジャンル : 小説・文学

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No title

なおさま
楽しんでいただけて嬉しく思います。知人には饒舌な文体に挫折した方もおりまして。軍事マニアックでエンターテイメントがありながら日本について掘り下げた大作と思います。何と言ってもローレライの謎が明かされた時には絶句するほど唸ってしまいました。映画ではその辺が陳腐な三流映画になっててちょっとね。福井さん他のも読みたいとは思っています。

Re: No title

Sayano様、こんばんは。

様って、つけるとなんか、あらたまった感じですw

ご紹介ありがとうございました。
ほんと読み応えがありました。
確かに、最初、なにやら難しくてちょっと不安になりました。

でも、だんだん文体に慣れてきて、不明な点がないわかりやすい感じになってきました。

今、亡国のイージスを読んでますよ!

終戦のローレライを読んだ後なので、船のことや海軍のことも少し理解しやすいかなと
感じます。それ程、苦労しないで読み進んでいます。



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